2017年9月10日(日)神戸市中央区の兵庫県民会館にて、「自分の人生を選択するチカラ・伝えるチカラ養成セミナー」を開催しました。このイベントは、兵庫県青少年本部、大学生協関西北陸事業連合、学生団体スマセレが主催し、全国大学生協連 関西北陸ブロック 大阪・兵庫・和歌山エリアに協力いただきました。このセミナーは、自分の人生を選択するとき、どのように決めるとよいか、また、選択する前にどんな知識を身に付けるとよいか学び、そして、ファシリテーションのスキルを身に付けるという目的でこのイベントを開催しました。当日は、15大学から28名の学生が参加しました。

集合写真

集合写真

全体の様子

全体の様子

 まずはじめに、兵庫県青少年本部 ひょうご出会いサポートセンターの稲垣センター長、実行委員長で関西学院大学 商学部の門雄基さんから開会の挨拶がありました。

 第1部では、株式会社ICB代表の瀧井智美氏より、「『自分の人生を選択するチカラ』を知る」について講演していただきました。日々様々なことを選択し、その選択によって未来ができています。よい選択をするためには、「知る」こと「考える」ことが何より大切です。聞いたことを回りの人に伝えたり、回りの人と考えることも大切です。様々な意見を聞きながら、新しい可能性に気付くことができます。自分のライフプランや職業を選択するときに、時代の変化、環境の変化を知り、自分の意思で選択することが重要です。現在は、過去と比べてどのような変化があるか考えてみると、今は転職が普通で、1度会社に入ったら定年までそこで働き続けるという時代ではなくなりました。また、就職試験の応募方法もIT化にあわせて変化しました。このように、時代が変化していったため、若者の親世代の就職活動のアドバイスでは、現代の社会に適用できず、また、必ずしも親などの身近な人がキャリアモデルにならなくなってきています。他にも、女性のキャリア進出が盛んになり専業主婦が少なくなったり、今までになかった新しい職業が生まれたりするなどの変化もあります。また、労働時間が重視された時代も終わり、知恵やアイデアを重視するスタイルになりました。それにつれて、私生活と仕事の調和を目指す時代になりました。今まではなかったけど、こういうものがあればいいというものを実現し、新しいサービスが生まれていく時代になり、かつてあったものが選ばれ続けるとは限らなくなりました。したがって、新しいサービスを生み出すアイデアがあり、様々なところと協力して繋がることができる企業が成果をあげています。このような変化を受けて、ワークライフバランスに取り組む企業も増加しました。ワークライフバランスとは、仕事と私生活が相互によい影響を与える合うことで、仕事と私生活の好循環・相乗効果が実現された状態のことです。仕事で学んだことは私生活で活かすことができ、逆に、私生活で得た学びを仕事に活かすこともできるため、どちらも大切にすることが重要です。仕事の効率化をはかり、働き方を見直すことで、個人の自律度を高め、チームワークを強化することができます。そして、個人の私生活の充実、自己啓発の促進をはかり、感性が磨かれ、知恵やアイデア、発想が豊かになります。それによって、やりがい・働きがいが高まり、組織への貢献が大きくなるとういう好循環が生まれます。また、結婚後や出産後も働き続けられる環境が整っている、子育て支援に積極的な企業・団体には、「くるみんマーク」が交付されています。これは企業選びの際の重要なチェックポイントになります。男女ともにいきいきと働きやすい職場環境を作る取り組みを宣言する企業を各都道府県ごとに宣言企業として登録し、ホームページなどで紹介されているので、それも職業選択の参考になります。他にも、OB・OG訪問で生の声を聞いた情報をもとに選択することが必要です。ネットで調べるのもよいですし、実際に足を運んで知った情報の方が性格で、人と繋がることができるという利点もあります。結婚をするかどうかという選択もライフプランを考える上で重要です。結婚したい、したくないそれぞれ様々な意見がありますが、それらを選択する上で、知っておくとよい情報をまずは知ることが大切です。未婚率上昇の原因には、出会いの機会の現象、経済的不安、結婚相手への理想が高すぎるなどがあげられます。また、結婚後に仕事をやめるかやめないかも重要な選択です。現在は共働き世帯が増加しています。平成9年には共働き世帯の数が片働き世帯の数を上回りました。今は一人の収入で一家を支える時代は過ぎ、二人で支える時代になりました。片働きの場合に、失業すると収入が途絶えるというリスクも防ぐことができます。また、一旦退職してしまうと、退職せずに会社に居続けた場合と比べて、生涯に稼げるお金が減ってしまいます。そのことも選択する上で判断の材料にすることをおすすめします。もし、結婚したいなら、出会いの機会を増やし、理想を広げてみるといいかもしれません。また、一人で一家を支えようと考えず、二人で働くということを考えてみるといいでしょう。子供がほしいか、ほしくないかについて選択するために、妊娠には個人差があり、自然に任せて妊娠できる人もいれば、望んでもなかなか子供を授からない人もいるということを知っておいた方がよいでしょう。また、子育てをして、子供の成長に喜びを感じた、子供のお陰で家庭が明るいなどのいいこともあるという声もあります。子育てをサポートしてくれる制度や、仕組みも整ってきたため、子育てを一人で抱えなくても大丈夫です。子供を育てながら働くためにこどもを保育所へ預けることもできます。こどもを預けることは悪いことではなく、パートナーシップにおいて経済的な支援ができるなど、仕事をしているからこそできることもあります。また、こどもは、親以外の人とも関わることができ、社交性が身に付き、たくさんの人に関わってもらえるというメリットもあります。パートナーシップにおいて、性別で役割を決めるのではなく、お互いの個性や意見を大切にしながら二人にとって一番いい状態をつくりだすといいかもしれません。就職、結婚など人生は選択の連続です。その時に、自分で選択をしているという納得感が大切で、他の人の意見を参考にしても、決定を行うのは自分ということをお話しされていたことが印象に残りました。

瀧井先生のご講演

瀧井先生のご講演

瀧井先生のご講演の様子

瀧井先生のご講演の様子

 第2部では、引き続き、株式会社ICB代表の瀧井智美氏に、「伝える側に必要な力 ファシリテーション基礎講座」を実施していただきました。ファシリテーションとは、話し合いや、プロジェクト活動を円滑に進行させる技術のことです。話し合いでは、成果・満足感が達成できたか、答えを見つけられたか、本質的な論点を見つけて深い議論ができたか、実行に繋がる結論を出せたかなどが評価の基準となります。また、アイスブレイクは、一人で考えるより、みんなで考える方が気づきが多く、広がりやすく、さらに楽しくなるということを体感できるものが効果的です。通常の会話では情報共有、交流が目的で、議論では、合意することが目的ですが、対話では、探求すること、気付くこと、考えること、発見することが目的です。対話において、これらの目的を達成するためには、聞き方や質問が鍵となってきます。ファシリテーターの役割は、話し合いが円滑に進むように進行に関わることです。話の内容はメンバーに任せ、ファシリテーターは、内容に関する自分の意見は言わず、中立的な立場をとります。話し合いの場をセッティングするときには、まず、話しやすい雰囲気を作り出すために、最近の出来事は、参加者のその日の状態を聞いてみて、みんなが一言ずつ話せる場をつくります。例えば、絵ハガキワークというアイスブレイキングがあります。絵ハガキワークは、いくつかの絵ハガキの中から、今の自分の状態を表す絵ハガキを一枚選んで、それを選んだ理由を説明するものです。お菓子や飲み物を用意して、カフェで話しているような空間をつくったり、模造紙や付箋を用意したりして、話しやすい場を作る工夫も大切です。ファシリテーターには、3つの役割があります。中立的な立場で話し合いの進行を舵取りする役割、参加者の知恵を引き出し、最良の答えを導く役割、議論を交通整理して納得性の高い結論を出す役割があります。そのような役割を遂行するためにも、話しやすい場を構成することが重要です。まず、本題には入る前に、話し合いをするときの約束を設けて全員で確認すると円滑に話が進みます。例えば、全員参加すること、お互いに学び合うこと、年齢や立場が違ってもみんな平等であること、積極的に発言すること、批判せずに尊重すること、話すだけでは話した内容を再現するのが困難になるため、自分の意見や話の内容を描いて表現すること、楽しむことなどを約束ごとに取り入れるといいかもしれません。自分の意見をしっかり伝えて、相手の意見も大事にし、自分にとっての納得解を見つけること、を目標にするということも全員で確認しておく必要があります。議論はできるだけ広げてから絞り込む方がよいです。最初は、質より量を重視して、多くの意見を出すことを目標にして、意見が出た後いくつかに絞り込むとよいでしょう。ブレインストーミングでは、テーマに対して、どうしたらできるのだろうか?という問いの答えを出す形で、20個くらいのアイデアを出し、そかこら、一人5つくらいのアイデアを投票し、アイデアを絞り込むと円滑に議論が進みます。一度にひとつのことしか議論しないことが重要です。また、言葉だけのやりとりではなく、模造紙や付箋などを利用してめで確認できるようにしておくことも重要です。意見や事実、アイデアなどをカードに描いて記入し、似かよったものをグループ化します。そして、線で繋いだり囲んだりして図解し、その図解から文章にしてまとめでて発表できるようにしておきます。話し合いでは、一人の人が話しすぎるのを防ぐためにトーキングオブジェを使うこともできます。話している人はオブジェを持って話終わったら真ん中に返し、次に話す人がそれを取って自分の前に置いて話します。そうすることによって、一人の人が話しすぎているということを自覚しやすくなるということを教えていただきました。この後、「今後、伝える側を実践していくために」というテーマで実際にワークショップを行いました。進行の例として、付箋を使って、これまででよかったこと(Keep)・うまくいかなかったこと(Problem)・次はこうしていきたい(Try)のアイデアを出すというやり方があると教えていただきました。

 最後に講師の瀧井智美氏、兵庫県青少年本部 ひょうご出会いサポートセンターの細田課長より講評があり、副実行委員長の兵庫県立大学 理学部の青井雄幹さんの閉会の挨拶で1日が終了しました。

ワークショップの様子

ワークショップの様子

ワークショップの様子

ワークショップの様子

 参加者からは、「くるみんマークが印象的で、就職活動においてひとつの道しるべになることを知れました。」「ワークショップでファシリテーターを体験できたのが楽しかったです。前半の公演では、様々な意見があって対立することがあると学んだため、後半のファシリテーションの実践でそれを活かしてつなげたかったです。」「ファシリテーターをしたのは初めてで、貴重な体験ができたけど、難しかったです。」という感想がありました。また、質疑応答では、参加者の「瀧井先生ご自身は、なにを大切にして選択しているのですか。」という質問に対し、「自分にとって大切なものはなにか考えて選択しています。今、大事なものライフイベントによって変わる人もいます。」と回答していただきました。